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#MuteRKelly の影響

攻撃的なコンテンツや曲に対してSpotifyやApple Musicが配信を止めたりプレイリストから削除するというポリシーを発表しました。

SPOTIFY TO TAKE ACTION ON ‘HATEFUL’ CONTENT AND CONDUCT

その中でも特にR.Kellyついて、#MuteRKellyというムーブメントが起きた影響によるものです。

Streaming services join the movement to mute R Kelly

元々は#metoo運動と関連した Time’s Upというセクシャルハラスメント撲滅運動の中で、R.Kellyの女性に対する肉体的精神的虐待に関する調査を申し立てたことによります。

Mute R. Kelly: The Women of Color of Time’s Up Say It’s Time

R. Kelly during the 2013 BET Awards

性的暴行で告発されているということを考えれば、公式プレイリストから落とされるという処置としておかしくない、とも言えるかもしれません。日本でも同様に最近もありましたが、過去性的暴行で訴えられているアーティストの楽曲は下げられてしまうのでしょうか。何れにせよ、残念な話です。

自分にとってはR.Kellyと言えば、壮大なる希望に満ちたバラード「I Believe I Can Fly」がほぼ全てですが、久しぶりに聞いても、そして他の曲を聞いても、歌い手としての技術は明らかに高いなと改めて思います。

当然高尚なバラードだけを人は作るわけがないし、自分の熱量の矛先として不満や怒りや何かしらの意見を連ねた曲で人の共感を産みたい、という人もいるでしょう。嫌な気持ちになるなら聞かなきゃいいのではないかという話も出そうですが、プレイリストに載っていて意図せずに曲が流れてきてしまう可能性を考えると確かに良くないかと。

彼のことがイヤな人はいるのは確かですが、攻撃的な内容ではない彼の名作も沢山の人が聞けないようになる、そういう悲しいことだけは避けてほしいのですが。そのうちYouTubeからも「I Believe I Can Fly」が削除されるかもしれませんね。

SoundCloudにおける財政救済後の成長

SoundCloud on track for growth after financial rescue

ストリーミングサービスのSoundCloudが、崩壊する直前で170億の財政救済を受け、その後一年以内にファイナンス的にもユーザー数の伸びも含めた目標達成をしたそうです。2017年度売上は目標額の100億円以上を達成。

創設者はキャッシュがなくなる前の数ヶ月で40%のスタッフを解雇し、身売りするか、それともSpotifyやAppleがストリーミングサービス市場で独占する中でお金を積んで生存可能なビジネスモデルを模索するか二者択一を迫られました。

CEOなどが変わったりもしましたが、”YouTube for audio”というプロミネンス、つまりMy Spaceが凋落した後に代わって、アーティストやポッドキャスターの作品をポストするオンラインホームにするという目標を掲げました。Spotify, Apple, Amazonが席巻するサブスクリプションサービスを模倣するのは辞め、前CEOのトレイナー氏はリスナーの行動データやストレージを70-100ドルでアーティストやポッドキャスターに販売し始めました。これについてSoundCloudにとっては2つのベネフィットがあります。一つはアーティストがサービスに対して支払いすること、そしてコンテンツをプラットフォームにポストしてくれることです。実際Spotifyや他のストリーミングサービスは40億のソングライブラリーがあるのに対して、SoundCloudはマッシュアップやDJ mixなども含めた177億ものトラックが置かれています。

トレイナー氏はこう語っています。

“There was a period, for literally over a decade, when no one was sure anyone would pay for music ever again,” he says. “It’s exciting to be able to forget that now.”

実際にこの10年、以前のように音楽に対してお金を払うようになるか誰もわからないといった状況であった。そのことを今忘れることが出来るのはとてもエキサイティングだ。

 

SoundCloudはミュージシャンやレーベルに対してマーケティングデータ販売という、そもそものユーザーが音楽に対して払っていた財布ではなく、別の財布からお金を取る仕組みを作りました。戦うマーケットとターゲットを変更する戦略です。多くの音楽リスナーがレコードやCDからフィジカルからサブスクリプションやストリーミングに対しての課金に移行する事象とは全く別の話です。

実際SoundCloudからそのアーティスト向けデータを購入したことがないことと、そのデータを活用してユーザーニーズに合う楽曲を作ったことがないため、その70-100ドルの投資が価値あるものか分かりません。大きなレコード会社の音楽プロデューサーでマスマーケティングを考える人にとっては相当安いものでしょう。仮に売れる曲の傾向もしくはunmet needsがアイディアとして導き出せたとして、自分自身ユーザーニーズに合う曲を作る気と作れる気があまりしないので活用しきれませんが、そのデータ内容については興味があります。一度買ってみようかな。